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スレート屋根の暑さ対策は必要?理由や対策方法について

スレート屋根の暑さ対策は必要?理由や対策方法について

住宅の屋根材として広く使われる「スレート」。施工のしやすさから価格が手頃で人気がありますが、近年では「夏場の暑さ」に関するお悩みが増えています。「家の中がまるでサウナのように感じる…」「エアコンをつけても部屋がなかなか冷えない…」「電気代が年々かさむ…」このような状況に心当たりはないでしょうか?

実はこの「暑さ」の原因には、スレートという素材の性質が深く関係しているのです。しかし、屋根を丸ごと取り替えるとなると費用や手間もかかるため、現実的ではないと感じる方も多いでしょう。

では、スレート屋根の暑さをどうすれば軽減できるのでしょうか?

この記事では、スレート屋根の仕組みや暑くなる原因、そして具体的な対策方法について詳しくご紹介していきます。

目次

スレート屋根はなぜ暑くなりやすいのか?

スレート屋根は価格が手頃なため採用されやすいですが、他の屋根材に比べて夏に暑く感じることが多いです。その理由としては、素材そのものの性質や構造上の特徴が原因であると考えられます。

スレートは熱を吸収しやすい素材

スレート屋根はセメントを主成分とする屋根材であり、密度が高く表面が滑らかなため、太陽からの熱を吸収しやすい特徴があります。特に、夏場の晴天時などは屋根の表面温度が70~80℃以上になることもあります。この熱はスレート自体に蓄積され、屋根裏へとじわじわ伝わっていきます。また、黒やグレーなどの濃色系スレートは、白やベージュといった明るい色に比べて日光をより吸収しやすいため、温度上昇も激しくなります。

断熱性が低く、室内に熱が伝わりやすい

スレート屋根は素材自体の断熱性が低く、夏場は蓄えた熱をそのまま建物内部に伝えてしまいます。屋根の下に断熱材を施工している場合でも、スレートとの間に空間が無いと熱が直に伝わりやすく、冷房の効きが悪くなったりすることがあります。

築年数の古い住宅や断熱材の施工が不十分な建物などはこの影響が大きく、昼間に温まった屋根の熱が夜まで残り、寝苦しい夜を招くこともあるでしょう。

断熱性能は見た目ではわからないため、家を建てる際やリフォームをする際に注視しておきたいポイントです。

通気層がない構造の場合、熱がこもりやすい

一般的なスレート屋根は、屋根材の下に空気の通り道(通気層)が無い構造になっていることが多く、これが夏の暑さを助長する原因となっています。瓦屋根のように屋根と下地の間に空間がある場合、熱が空気の流れによって外に逃げやすくなりますが、スレート屋根は下地と密着して施工されるため、熱がこもりやすいのです。この熱が屋根裏に溜まり室内にも伝わってきてしまいます。

熱を逃す構造になっていないスレート屋根の場合、通気性をどう確保するかが重要な課題となります。

スレート屋根の暑さによる影響とは?

スレート屋根はコスト面で魅力的ですが、夏場になると屋根材自体が高温になりやすく、そこから室内へ熱が伝わってしまいます。その結果、冷房効率の低下や電気代の増加、さらには屋根材や下地の劣化にも繋がることがあります。

室温が上昇し冷房効率が悪化

スレート屋根は夏の強い日差しを直接受けるため、屋根の表面温度が60~80℃にもなることがあります。この熱は屋根裏に溜まり、時間と共に室内にも伝わります。その結果、室温が上昇してしまい、エアコンをつけてもなかなか涼しくならない状態になるのです。

冷房が効きづらい状態になると、設定温度を下げたり風量を強くしたりするため、電気代の負担が増えてしまいます。屋根に近い部屋では、この影響が特に大きいとされています。

光熱費の増加

スレート屋根が熱を溜め込むことで室温が上昇すると、エアコンの使用頻度が増え、それに伴って光熱費も高くなります。とくに猛暑が続く夏場は、冷房をつけっぱなしにする家庭も多く、月々の電気代が数倍以上に膨らむケースもあります。屋根が暑くなりにくい家では、同じ時間エアコンを使っても室温が安定しやすいため、消費電力が抑えられます。

実際に、暑さ対策を施したことで、年間の電気代が数%~20%近く削減されたケースもあります。

屋根材や下地材の劣化が早まる可能性

スレート屋根は、紫外線の影響を受けると少しずつ劣化が進みます。特に夏場は、昼間と夜間の気温差が激しいため、屋根材が膨張と収縮を繰り返し、ひび割れや剥がれが起きやすくなります。さらに、スレートの下にある木材や防水シートなどの下地材も、熱と湿気にさらされることで、カビや腐食のリスクが高まります。

このような劣化が進行すると、大掛かりな補修工事が必要になることもあるため、暑さによる劣化を防ぐための定期的な点検やメンテナンスが大切になります。

スレート屋根の暑さ対策方法5選

前述ではスレート屋根の暑さによる影響を紹介しましたが、続いてはその暑さの対策についてご紹介します。取り組みやすい選択肢から将来的に効果の高い方法まで、5つの暑さ対策をご紹介します。

遮熱塗料を塗る(コストと効果のバランスが良い)

遮熱塗料とは、太陽の光に含まれる赤外線を反射して屋根の表面温度の上昇を抑える塗料です。屋根に直接塗ることで、スレートが直に受ける熱を減らし、室内に伝わる暑さを和らげることができます。

施工後は屋根の表面温度が下がり、エアコンの効きも良くなるため、快適性の向上や電気代の節約にも繋がります。施工費用は、1㎡あたり2,500~5,000円と通常の塗装よりは高くなる傾向にありますが、そのぶん遮熱効果が得られ、夏の暑さ対策としてはコストと効果のバランスが良い方法です。

断熱材を追加する(内側からのアプローチ)

屋根裏や天井部分に断熱材を追加することで、屋根から伝わってくる熱を室内に入りにくくすることができます。これは屋根の内側に行う対策のため、外観を変えることなく室内の快適さを高めることが可能です。

夏場の暑さだけでなく、冬場の寒さも軽減できるため、冷暖房の効率を上げる効果も期待できます。断熱材にはさまざまな種類があるため、性能や価格によって選ぶことができます。長く住む家には適した対策と言えるでしょう。

屋根カバー工法で遮熱性能を高める(リフォーム向け)

屋根カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねるリフォーム方法です。解体作業がほとんど無いため工期が短く、廃材も少なく済むというメリットがあります。

新たに取り付ける屋根材に遮熱性や断熱性のあるものを選ぶことで、屋根の性能を向上させることができます。また、屋根が二重構造になることで、熱の伝わりを抑える空気層が生まれ、より高い遮熱効果を得ることが可能です。

屋根の劣化が進んでいるが、全面的な葺き替えまでは考えていないという方におすすめの対策です。

屋根裏換気を強化する(排熱効果)

屋根裏にこもった熱を効率よく外へ逃すためには、換気の仕組みを強化することが大切です。屋根の最も高い部分に設ける換気棟や壁面に設置する通気口などを使い、空気の流れを作ることで、屋根裏の温度上昇を抑えることができます。換気が不足していると、屋根裏に熱が溜まり続けて室内の温度にも影響し、冷房が効きにくくなる原因になります。特に夏場は、空気の入れ替えがうまくいくかどうかで体感温度も大きく変わります。

比較的施工が簡単で費用も抑えやすい方法なので、取り組みやすい暑さ対策と言えるでしょう。

屋根の葺き替えで高性能屋根材に変更(長期的な解決策)

屋根の葺き替え工事は、既存の屋根を全て撤去し、新しい屋根材に交換する大掛かりな工事です。遮熱性や断熱性に優れた高性能な屋根材に交換することで、屋根から伝わる熱を根本から遮断でき、夏場の室内温度上昇を大幅に抑えることができます。また、同時に屋根の耐久性や防水性も高められるため、長期的に快適な住環境を維持することができます。

初期費用は5つの対策の中で最も高額になりますが、何十年と住み続ける住宅には適した選択肢となるでしょう。

暑さ対策はいつ行うのがベスト?

暑さ対策として、スレート屋根を塗装したり換気を強化するのは、いつ取り組むのが効果的なのでしょうか?適した季節や他のメンテナンスと合わせて行うタイミングについて、ベストな時期をご紹介します。

塗装は春・秋の気候がベスト

屋根塗装の最適な季節は、気温が15℃~30℃程度で湿度が安定する、春(3~5月)と秋(10~11月)になります。これらの時期は、塗料がゆっくり均一に乾きやすく、気泡の発生やひび割れなどのリスクも低いため、仕上がりが良くなります。

一方、梅雨時は湿度が高く乾燥が遅れ、真夏は塗料が早く固まり過ぎてムラが発生する、といったデメリットがあります。冬も気温が低すぎると密着不良や凍結の心配があります。

どの季節でも塗装作業自体は可能ですが、塗装品質や耐久性を重視する場合は、春か秋が最適と言えます。

屋根のメンテナンスと同時に行うと効率的

屋根塗装や暑さ対策は、他の屋根メンテナンスと同時に行うと効率的です。

例えば、外壁塗装や屋根塗装時に必要になる足場ですが、その設置には工事費の20%と大きな割合を占めます。そのため、複数の作業を一度に行うことで、その足場設置費や工期を共有でき、費用・時間ともに削減できます。また、メンテナンスのタイミングで屋根の状態をチェックできるため、劣化や問題点を早期に発見・対策しやすくなります。

梅雨前~夏前に準備しておくのがおすすめ

スレート屋根の暑さ対策は、梅雨が始まる前の春頃~夏前までに準備を始めるのがおすすめです。特に、遮熱塗料を塗布する場合、梅雨の湿気や降雨を避けるために、梅雨入り前の晴れが続く時期を狙うと、工期の延期や品質の低下を避けられます。

また、梅雨が明けると高温多湿で施工環境が厳しくなるため、真夏が来る前に塗装や換気設備の準備を済ませておくと安心です。こうして春~初夏にかけて計画的に進めれば、暑さ対策が間に合い、暑いシーズンを快適に迎えられます。

まとめ

今回は、スレート屋根が暑くなる原因や、対策方法について解説してきました。

スレート屋根は価格の手頃さから多くの住宅で採用されていますが、熱を吸収しやすい上、断熱性や通気性が低いため、夏は特に室温が上昇しやすい特徴があります。その結果、冷房効率の悪化や光熱費の増加、さらに屋根材や下地材の劣化といった影響が出る可能性があります。

対策としては、遮熱塗料の塗布や断熱材の追加、屋根裏換気の強化などが効果的で、長期的には屋根の葺き替え工事も選択肢となるでしょう。

これらの対策は、塗料の乾きやすさ・施工環境を考慮し、春や秋、または梅雨前~夏前に実施するのが最適です。屋根のメンテナンスと同時に行えば、費用と手間の削減にも繋がります。

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